先生のこと

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郷守り
村人
佐古田 ちどり
集落丸山 女将
丹波篠山市の丸山地区にて、集落で運営する宿泊施設「集落丸山」のフロント業務を担当。丸山で生まれ育ち、現在も丸山在住。予約管理やお客様の対応と共に、集落の調整役として業務に当たる。集落内の田んぼで無農薬・無肥料の酒米を育て、お酒にしていただく「まるの輪」の活動も行っている。

Q1.なぜ今の生業(集落丸山の運営)に就きましたか?

A. 村のみんなが大変な思いをしながら宿の運営をされているのを見ていて、 自分にも何かできることはないかと思ったためです。大変な中でも皆さんがいきいきと楽しそうにされている姿を見て、自分も一緒にやってみたいと思ったのも理由かもしれません。長年勤めていた会社で十分やり切れたということも理由の一つです。

Q2. 生業(集落丸山の運営)を続けていくうえで課題は何ですか?

A. 「後継者を育てる」ということは一つ大きな課題と言えるかもしれませんが、 今まで丸山がそうしてきたように、成り行きにまかせるということも丸山らしさであると思います。目の前のことにひとつひとつ誠実に対応していく中で、気づけば少しずつ解決できていたというようになればよいと思っています。昔からのコミュニティがあり、また少ない人数なのでできることかもしれませんが、それぞれの個性や能力をお互いが十分理解し、尊重して、それが生かされるような形を第一に考えること、無理なく続けるために丸山らしさを常に模索していくことが大切だと考えています。

Q3. 佐古田さんにとって里山とは?

A. 難しい質問です。子どもの頃から常に身近にあったもので、あまり意識したことはありませんが、人間が自然の一部であることを実感できる場所ではないかと思います。 田んぼの四季折々の風景、田植え後や、稲が風でそよぐ風景、手刈りした稲が稲木にはざかけされている風景などは特に美しく、里山らしいと感じます。人の手が行き届いてきちんと整備されている丸山の風景は、自分にとってはやはり大切な風景です。

Q4. 里山の暮らしに感じる魅力は何ですか?

A. 自然がすぐ近くにあること、四季を感じられること、生きものや植物が豊かであること、昔からの暮らしの知恵を知る機会が多いこと、お互いが配慮し合い、 協力し合う文化があること、つながりを感じられること。

Q5. 将来、暮らしている地域がどうなっていってほしいですか?

A. 美しい景観が守られ、草花や生きものたちがこれからも大切に守り育てられていってほしいと思います。先人が築いてきてくれたこの土地や自然に尊敬の気持ちを持った方に、大切に繋いでいっていただけたらと思います。

若者世代へ向けて

Q1. 里山での暮らしの中でサステナブルを意識して行っていることはありますか?

A. なるべくゴミを出さない、コンポストを活用する、ペットボトルは買わない、 買い物は包装の少ないものを選ぶ、リサイクルに協力する、など無農薬・無肥料でのお米作りを続けていることも大事な活動の一つです。

Q2. 参加する若い世代へ一言お願いします。

A. 私たちが学生の頃は、田舎は恥ずかしいもの、できれば隠したいというようなマイナスのイメージだったと思います。大人になった今、ようやく良さが分かるようになりましたが、若いうちからこういった里山に興味を持たれるのはとても素晴らしいと思いますし、みなさんの柔軟な感覚が里山を守る大きな力になると思います。ぜひお力を貸して下さい。皆さんのこれからの人生の中で、少しでも何かのきっかけになるような、楽しい経験になっていただければ嬉しいです。  
木こり
辻 徳人
農家
吉良 佳晃